~の
名詞の代わり:黒い鞄は佐藤さんのですが、青いのは私のです。
~の(ん)だ:
理由や根拠を強調した断定の意を表す。
- 赤信号を無視して走るから事故を起こすのだ。
話し手の決意、または相手に対する要求・詰問の意を表す。
- 何としてもその夢を実現させるのだ。
事柄の様子やあり方を強調して説明する意を表す。
- この谷は一年中、雪を消えずに残っているのだ。
~の(ん)だから
理由を強調して、相手に対する要求、詰問の意を表す。
- もう子供じゃないんだから、自分の部屋は自分で掃除しなさい。
動詞の名詞化
動詞、または文の後ろに助詞を付ければ、まず「の」か「こと」を付く、そういう現象は「動詞の名詞化」を呼ばれる
- 単語を覚えるのは難しい。(単純な行為)
- 単語を覚えることは難しい。(内容、事件を強調する)
「の」が使われやすいもの
感想・評価
- 料理を作るのは楽しい。
嗜好
- 寿司を食べるのが好きです。
行為
- 料理を作るのを忘れた。
- 佐藤さんが結婚したのを知っていますか。 「こと」が使われやすいもの
提案・約束・命じる・祈る…
- この仕事をやめることを決意した。
- 合格できることを祈っています。
「の」だけが使われるもの
感覚「見る…」
- 彼が宿題をしていたのを見た。
「こと」だけが使われるもの
能力「…ことができる」彼は日本語を話すことができる。
反復「…ことがある」このバスはよく遅れることがある。
経験「…ことがある」英語を勉強したことがある。
決定「…ことにする/なる」
- 仕事を辞めることにした。(話し手は能動的)
- 来月から日本へ出張することになった。(話し手は受動的)
- 来週は東京へ出張に行くことになっている。(もう決めた事)
伝聞「…とのことだ」
- 先ほど、木村さんから電話があって、少し遅れるとのことです。
伝聞・結論「…ということだ」
- 明日は雨が降るということです。
- 社長に「明日から来るな」と言われた。つまり 首ということかな。
~する必要はない「…ことはない」
- 彼はとても優しいから、怖がることはないよ。
~が理由で「…ことから」
- 道路が濡れていることから、雨が降ったとい うことがわかる。
要求「…こと」レポートは来週の火曜日までに提 出すること。
忠告「…ことだ」健康が心配なら、もっと野菜を食べることだね。
~なのだからきっと「…のことだから」
- 毎朝早起きのおばあちゃんのことだから、明日も5時には起きていることでしょう。
~ないで「…ことなく」彼は最後まで諦めることなく、頑張った。
理由「…ことだし」天気もいいことだし、今日は外で遊ぼうよ。
~の話題になると「…ことになると/…こととなると」
- 父は学校のことになると、とてもうるさいです。
~感情「…ことに」
- 悲しいことに、大切に育てていたペットが事故で死んでしまった。
詠嘆「…ことだろう/…ことか」
- ようやくJLPTN1に合格した李さんは、どんなに嬉しかったことだろう。
程度が低く重要でない「…ほどのことではない」
- そんなに真剣に考えるほどのことではない。
絶対に…とは言えない「…ないことはない」(二重否定)
- できないこともないですけど、少し時間をいただきたいです。
条件「…ないことには…ない」(二重否定)
- 彼は来ないことには、会議を始めることができない。 謝罪の理由「…こととて」
- 子供のやったこことて、どうか許してやってください。 文の後の内容を強調「…もさることながら」
- 日本語は私にとって漢字もさることながら、文法も難しい。
名詞「もの」
もの→物、者
「物」:物体、物品
どんな物を買いました。
「者」:人を指す
- お前は一体何者?
抽象的な概念を指す
- 愛というものは不思議なものです。
形式名詞「もの」の使い方
なんとなく…だと感じられる「…ものがある」
- その男の証言には、不自然なものがある。
実現が難しいものやことに対しての願望や期待 「…ものなら」
- やれるもんなら、やってみろ。
- やり直せるもんなら、今すぐやり直したい。
- 死ぬことはやすいもんなら、今すぐ死にた い。
大変なことになる「…ものなら」
- この先生の授業で、宿題を忘れようものな ら、どれだけしかられるかわからない
謝罪の理由「…ものだから」
すみません、ビールは苦手なものですから。
当然「…ものだ」たくさん運動したら疲れるもの です。
詠嘆「…ものだ」時間が経つのは本当に早いもの ですね。
決して~ない「…ものか」
- 店員の態度は悪いし、料理は不味いし、こんな 店は二度と来るもんか
理由「…もの/…だもの」
- だって牛乳嫌いだもんね。(カジュアルな口語表 現である)
~の間ずっと「(時間帯)…というもの」
- ここ一か月というもの、ずっと会社を休んでい る。
~とは言えない「…というものではない」
- お金があれば、幸せだというものではない。
とても~できない「…ものではない」
- こんな料理、お客さんに出せたもんじゃない よ。
~の立場にあるのだから「~たるもの」
- 医者たるもの、患者の命を優先に考えるべき だ。
~すれば、そうならかなったのに「…ものを」
- 結局、二人は別れることになったそうだ。あ の時、彼は素直に謝っていれば良かったものを。
~だけれども「…ものの」東大を卒業したもの の、仕事を見つからない。
~てからずっと「…てからというもの」
- 出産してからというもの、お酒を飲まなくなっ た。
~を恐れないで「…をものともせず」
- 両親の反対をものともせず、二人は結婚した。
絶対テンス、相対テンス
1.絶対テンス:発話時を基準
2.相対テンス:従属節と主節時との関係
形式名詞「とき」の使い方
事柄は発生の時間
- 風邪を引くとき、病院に行きなさい。
相対テンスを表す
- 教室を出るとき、電気を消す。(電気を消し てから教室を出る)
- 教室に入ったとき、電気をつけます。(教室 に入ってから電気をつける)
形式名詞「ところ」の使い方
直前、最中、直後「…ところだ」
- 今、ご飯を食べるところです。(まだ食べな い、今用意している)
- 今、ご飯を食べているところです。(食べて いる)
- 今(さっき)、ご飯を食べたところです。(食 べ済み)
もう少しで…になる可能性があった「ところだっ た」
- もう少しで彼を怒らせるところでした。
~という状況なのに「…ところ(を)」
- 本日はお忙しいところ、お時間を割いていただ き、ありがとうございました。
事態が一変するような出来事が発生「…ところに/ところへ」
- 困っていたところに彼女が救いの手を差し伸べてくれた。
範囲内における境界線や程度「…といったところだ/…というところだ」
- ここから目的地までは車で一時間といったところでしょう。
偶然発見/予想外「…ところ」
- 友達に相談したところ、一緒に手伝ってくれることになった。
- 彼なら知っていると思って聞いたところ、彼も知らなかった。
時間の流れ/いくら~しても「…ところで」
- ご飯をできたところで夫が帰ってきた。(ご飯を作った、その後、夫が帰ってくる)
- 今更謝ったところで許されないだろう。(逆接)
状況や様子からの推測「…ところを見ると」
- 𠮟られて何も言わないところを見ると、反省しているんだろう。
名詞「為」
意味:利益となること。有利なこと。役に立つこと。
形式名詞「ため」の使い方
目的、原因「…ため(に)」
- 未来のために今頑張ります。
- 雨のため、試合は中止された。
目的「未然形(ア段)+んがため(に)」
- 自分の店を持たんがため、必死で働いている。
- 現状を維持せんがための政策
名詞「様」
様子、様態(状態、変化及び人の気持ちを表す動 詞の連用形に付く)
- 彼の喜び様は大変なものだった。
方法(普通に否定文):
- 言いようもないほど美しい(言い方もないほど 美しい)
- 流石としか言いようがない
スタイル、様式:上代様(書における和様の様式の一つ)
形式名詞「よう」の使い方
目的の達成、アドバイス、祈り「…ように」
- 日本語が上手く話せるようになりたいです。(目的の達成)
- 忘れ物をしないように注意してください。(アドバイス)
- 病気が治りますように。(祈り)
~ように見える(比喩表現)「…かのようだ」
- 3月なのにまた、寒くなりましたね、まるで 真冬に戻ったかのようですね。
仮に実現すれば、期待される結果とはならない 「…ようでは」
- 相手のミスを願うようではプロにはなれませんよ。
仮定「…ようなら/ようだったら/ようであれば」
- 一人で運べないようなら、私が手伝おうか。
名詞「訳」
意味:
1.分かること、意味:訳の分からない言葉。
2.原因、理由:深い訳がある。
3.筋道:訳の分からないことを言う。
形式名詞「わけ」の使い方
原因「…わけ」
- 今日は子供の誕生日なんです。そういうわけだから私先に帰らせてください。
事実を強調「…わけ」
- この映画は、人々が主人公に共感できるから 人気になったわけだ。
~は考えられない「…わけがない」プロ相手に勝 てるわけがない。
全部が~とは言えない(部分的な否定)「…わけ ではない」
- お酒が飲めないわけではないよ。
絶対に~できない「…わけにはいかない」
- こんなこところで負けるわけにはいかない
名詞「筈」
意味:事が当然そうあるべきだの意を表す語。予 定や道理。
形式名詞「はず」の使い方
理由があって、絶対に~だと思う「…はずだ」
- まるで私みたいな人はこんなことを望んでも 貰えないはずだ。
~は考えられない「…はずがない」不味いはずが ない。
表現:
それに触ると危ないと言ったはずだ。(相手は聞 いても、勝手に触るの後)
来るはずだった。(話し手の予想中に起こらる状 況は起こなかった時)
こんなはずではなかった。(話し手の予想中に起 こらない状況は起こった時)
「わけ」と「はず」の異なる
わけ:事実を強調し、客観的な理由、感情を込まない。
はず:もっと主観的、話し手の感情を込む。
名詞「儘」
意味:成り行きに任せること。そうある通り(の 状態)。
形式名詞「まま」の使い方
元の状態、動作が保たれている「…まま」今のま まが一番いい。
ある状態を維持しておく、自分が思うように好き なことをする「…まま(に)」
- 分からないことを分からないままにしておきた くない。
- 悲しいときは泣いて、嬉しいときは笑って、心 のままに生きる。
名詞「御陰」
意味:人の力添えや神仏の助けなどによって受ける恩恵。
形式名詞「おかげ」の使い方
前項に原因を、後項にその原因から発生した良い 結果「…おかげ」
- 先生のおかげで、今最優秀賞を貰ってくれ た。
- 皆のおかげで、私たちは結婚することができ る。
名詞「所為」
意味:(迷惑)ある人の行為から生ずる結果。あ る原因の結果。ゆえ。
形式名詞「せい」の使い方
前項に原因を、後項にはその原因から発生した良 くない結果「…せい」
- 事故のせいで予想外の結果を発生しまいまし で、申し訳ございません。
- 私のせいにしないでください。
「ほう」、「つもり」、「とおり」
名詞「方」
意味:
1.方向、方角、方位
2.部門・分野を漠然と指す語。その方面。ま た、指し示すものをあいまいにするために使う 語。
3.四角。また、正方形の一辺の長さ・距離を示 す語。
形式名詞「ほう」の使い方
話者の主観的な判断によるアドバイスや提案「… ほうがいい」
- 煙草はやめたほうがいい。
表現:
知らないほうがよかった(のに)(何かを知って しまったことに対して後悔や不安、もしくは嫌悪感を抱いている)
何もしないで後悔するより、行動して後悔したほうがましだ。(話者の強い不満や反発的な感情が含まれる)
名詞「積もり」
意味:積もること。重なること。
形式名詞「つもり」の使い方
意志「…つもり」
- 来年東大に進学するつもりだ。
事実は異なるが、そのように見做して何かをする「…つもりで」
- 桜小路のメードのつもりで一生懸命に働く
名詞「通り」
意味:同じ状態・方法であること。
形式名詞「とおり」の使い方
~と同じに「…とおり(に)」
- 予想通り、今年のテストは難しかった。
名詞「癖」
意味:偏って多いほどの(普通でない)仕方を繰り返して、ついた習慣。習慣となっている、偏っ た傾向・しぐさ。
形式名詞「くせ」の使い方
強い不満や非難の気持ちを表す逆接「…くせに」
- 自分の悪いくせに人のせいにするな。
名詞「度」
意味:何かの行われる、または行われた、その 時。おり
形式名詞「たび」の使い方
毎回~する「…たびに」
- 一つ失敗するたびにまた一つ成長する。
名詞「割り」
意味:
1.割ること。また、割ったもの。
2.歩合の単位、一割は10分の1。
3.比率、割合。
4.割引。
5.他と比べたときの損得。
形式名詞「わり」の使い方
事実と想定されることが相反していること。「… わりに(は)」
- このイヤホンは高いわりに音質が悪い。
- 家賃が安いわりにはいい部屋だね。
- 駅に近いわりに家賃は高すぎる。
名詞「かわり」
漢字:代わり
意味:
1.入れかわること。交替すること。また、その もの。
2.ある役割を、他のものがすること。また、そ のもの。
ア.代理。身がわり。
イ.代用の品。
3.ある事柄に相当して、ひきかえとなるもの。 代償。
形式名詞「かわり」の使い方
代替、代用、交換条件、相反する二つの側面「… かわりに」
- 課長のかわりに私が会議に出席します。
- 日本語教室に行くかわりに、参考書を買って 自分で勉強している。
- 日本語を教えるので、そのかわりにイタリア 語を教えてください。
- 今の仕事は給料が高いかわりに残業が多い。
名詞「内」
意味:
1.範囲の中
2.自分が所属しているものをいう。
形式名詞「うち」の使い方
範囲「…うち」この二つのうち、どっちが正解か 分からない。
状態が持続している期間「…うちに」今のうちに 頑張らないと…
前件の状態が持続している間が最も重要である 「…うちが」
- 人生若いうちが花だ。
前件と後件の動作がほぼ同時に発生「…が…ない かのうちに」
- バスは私が座るか座らないかのうちに走り出 した。
名詞「元/本/下」
意味:
1.物事の起こり。始まり
2.物事の根本をなすところ。基本。
3.(下)物の下の部分。また、そのあたり。し た。
4.(下)…した状態で。…で。
形式名詞「もと」の使い方
素材、根拠となるもの、参考となるもの。「…を もとに」
- 彼女の経験をもとに(して)アドバイスして くれました。
注意:…をもとにした+名詞
~に頼って「…のもとで/…のもとに」・私はルナ 様のもとで、デザインを習っています。
名詞「如何」
意味:事の次第。なりゆき。ようす。
形式名詞「いかん」の使い方
事の成り行き/状態「…いかん」全てが君の判断い かんにかかっている。
名詞「故」
意味:
1.事の起こるわけ。理由。原因。
2.りっぱな経歴。由緒(ゆいしょ)。来歴。
形式名詞「ゆえ」の使い方
注意:
接続法:形容動詞の語幹+(が)ゆえ
原因「…(が)ゆえ」𠮟るという行為は相手を思 うゆえの行為だ。
名詞「上」
意味:位置関係で、基準とするものより高い方、 高い所をいう。
形式名詞「上」の使い方
目的「…上で」失敗は人間が成長する上で必ず通 る道だ。
後件は前件よりも程度が高い「…上(に)」
- 本人と会えて握手してもらえた上に、写真も撮 ってもらえました。
- 糖尿病の治療は困難な上、遺伝する可能性も ある。
前件は後件が起こるための前提条件「…上 (で)」
- 両親と相談した上で、東大への進学を決め た。
参照する「…上で」
- 聞いた話の上では厳しい人らしいが、あってみると意外に優しい人だった。
前件の動作を行った後に、後件の動作を行う「…上は」
- この仕事を引き受けた上は責任をもってやり 遂げる。(緊迫感がある)
→この仕事を引き受けた以上は責任をもってやり遂げる。(普通)
→この仕事を引き受けた以上、責任をもってやり遂げる。
名詞「際」
意味:時。場合。
形式名詞「際」の使い方
~ときに「…際(に)」留学の際には、色々お世 話になりました。
関連表現:
~ときに「…に際して」
- 面接に際して、しっかりと練習しておいたほう がいいですよ。
名詞「途端」
意味:ちょうどその瞬間。
形式名詞「とたん」の使い方
前件の動作後すぐに後件が発生した「…とたん (に)」
- 家を出たとたんに、雨が降ってきた。
名詞「切り」
意味:物事がそこで終わりとなる、切れ目の所。
形式名詞「きり」の使い方
行い続けられて限度がない「…きりがない」
- 人の生きる意味について、考え出したらきり がない。
名詞「限り」
意味:
1.ここまで、これだけという限界(の内)。
2.限界、果て
形式名詞「限り」の使い方
全力で物事を行う「…限り」やれる限りのことは やった。
ある状態が継続している期間「…限り」
- この問題を解決しない限り、先には進めな い。
知覚的な動詞に接続し、自分が知っている情報の 範囲内を表す「…限り」
- 知っている限りのことを教えます。
~を最後として「…を限りに」今日を限りに、お 酒はやめることにした。
感情の程度を強調「…限りだ」悲しい限りだ。
名詞「場合」
意味:物事の、その時に応じて分けて考えられる 状態・事情。
形式名詞「場合」の使い方
事態を取り上げて、その事態が起きた時に必要な 対応「…場合(は)」
- 学校を休む場合は、必ず連絡してください。
名詞「一方」
意味:
1.一つの向き
2.二つの対するものの一つの側。
形式名詞「一方」の使い方
対比、並列「…一方」楽しいことが多い一方で、 不安なこともある。
ますます~していく「…一方」勉強していないの で、成績は下がる一方だ。
名詞「結果」
意味:ある物事・行為から生じた状態
形式名詞「結果」の使い方
前件の事柄によって、どうなったのかを後件で言 う「…結果」
- 無理した結果、体を壊して入院することにな った。
名詞「末」
意味:
1.続いているものの先端の方。末端。
2.ある期間の終わりのほう。
形式名詞「末」の使い方
様々な困難を経た後の良い結果や中立的な結果 「…末(に)」
- 本人が色々考えた末の結論は誰にも否定する 権利はない。
名詞「挙句」
意味:連歌・連句において最後の句のこと
形式名詞「あげく」の使い方
色々したが、結局良くない結末を迎える「…あげ く(に)」
- 彼とロゲンカを繰り返したあげく、別れるこ とになった。
名詞「最後」
意味:物事のいちばんあと、または後ろ。いちば ん終わり。最終。
形式名詞「最後」の使い方
それで終わりで、後はどうにもならない「…最 後」
接続:…たら最後/たが最後
- 信頼関係は失ったが最後、取り戻すのは難し い。
- あの国へ行ったら最後、もう二度と帰って来 られないでしょう。
名詞「始末」
意味:
1.物事の始めと終わり。始めから終わりまでの 細かい事情、または成り行き。
2.ある物事の最終的な状況。特に、よくない結 果。
3.物事の締めくくりをつけること。後片付けを すること。処理
形式名詞「始末」の使い方
良くない結果「…始末だ」一人で解決しようとし たせいで、この始末だ。
名詞「切っ掛け」
意味:物事を始める手がかり。糸口。また、原因 や動機。
言い換え:契機、機
形式名詞「きっかり」の使い方
動機「…きっかり」共通の趣味がきっかけで付き 合い始めた。
名詞「違い」
意味:違うこと。異なること。
形式名詞「違い」の使い方
話し手の強めの判断・断定「…(動詞可)に違い ない」
言い換え:…に相違ない
- あのレストランはいつも人が多いから、人気 があるに違いない。
名詞「間」
意味:二つのものに挟まれた部分や範囲。(空 間、時間、人々の相互関係)
形式名詞「間」の使い方
「間」と「間に」
- 夏休みの間 → 夏休みが終わるまで(ずっ と)
- 夏休みの間に → 夏休みが終わるまでに (ある時)
休みの間に髪を染めたいです。
休みの間、ずっとイタリア語を勉強している。
名詞「きらい」
漢字:嫌い
意味:きらうこと。いやだと思うこと。
形式名詞「きらい」の使い方
良くない傾向がある「…きらいがある」
- 今の子供は野菜をあまり食べないきらいがあ る。
名詞「恐れ」
意味:
1.こわがる気持ち。恐怖。不安。
2.敬い、かしこまる気持ち。
形式名詞「恐れ」の使い方
悪い予感や予想、可能性がある。心配の気持ちが 含まれる「…恐れがある」
- 戦争になる恐れがある。
名詞「次第」
意味:
1.物事が行われる際の一定の順序。
2.今まで経過してきた状態。成り行き。
3.物事の、そうなるに至った理由。わけ。事 情。
形式名詞「次第」の使い方
~によって決まる「(接尾)…次第」努力次第で 人生は変わる。
~が終わったらすぐに「(動詞の連用形)…次 第」
- 在庫無くなり次第終了となります。
いきさつ「(動詞の連体形)…次第」
- お聞きしたいことがあり、コメントした次第 です。
名詞「気味」
意味:ある事態や物事から受ける感じ。また、そ の感じた気持ち。
形式名詞「気味」の使い方
話し手がわずかに感じる(良くない)感覚「…気 味」(連濁)
- 風邪気味(かぜぎみ)
- 太り気味(ふとりぎみ)
名詞「振り」
意味:
1.振り動かすこと。
2.挙動に現れた、人の様子。
形式名詞「ふり」の使い方
実際は違うが、そうであるように振舞う様子「… ふりをする」
- 知っているが、知らないふりをする。
名詞「余所/他所」
意味:ほかのところ。ほかの家。「―へ行く」。 また単に、目的または自分に関係しない物事。
形式名詞「よそ」の使い方
心配、期待、批判などの他人からの感情や評価に つき、それらを無視したり、全く無関心であるこ とを表す「…をよそに」
- 親の心配をよそに、朝まで帰らない。
名詞「余儀」
意味:他のこと。 他にとるべき方法。 また、別 の意見。
形式名詞「余儀」の使い方
他に方法がなく、~するしかない「…余儀なく」
- 大きなミスをしたため、彼は辞職を余儀なく された。
- たった一つのミスが、彼に辞職を余儀なくさせた。
名詞「向き」
意味:
1.向いている方。方向。
2.関心などが向かう所。
形式名詞「向き・向け」の使い方
対象に適している「…向き」/目標・対象にしてい る「…向け」(接尾)
- この映画は子供向きじゃない。(状態)
- この本は外国人向けに易しい日本語で書かれ ている。(行為)
名詞「反面」
意味:(裏側になる)もう一つの面。
形式名詞「反面」の使い方
相反する側面を対比的に表す「…反面」(ある材 料)水に強い反面、熱に弱い。
名詞「反対」
意味:
1.ある物事・向きと、対立・逆の関係にあるこ と。あべこべ。
2.ある意見などに対して、逆らうこと。
形式名詞「反対」の使い方
前項と後項が逆の状態であったり、或いは期待さ れる結果とは異なる
「…とは反対に」
- 犬みたいな妹とは反対に、私は猫みたいな人 です。
名詞「始め」
意味:《接尾語的に》[始] …(を)し始めるこ と。
形式名詞「はじめ」の使い方
~を第一に「…をはじめ」
- 日本語には英語をはじめ、フランス語、ドイ ツ語などから来た外来語が沢山ある。
名詞「以来」
意味:その時からこちら。それから今まで。
形式名詞「以来」の使い方
~てから今までずっと「…以来」
- 学校を卒業して以来、りそな様とは一度も会 っていません。
- 桜屋敷に入職以来、いつもお世話になってお ります。
名詞「甲斐」
意味:したことの結果としてのききめ。効果。ま た、するだけの値打ち。
接尾語として連濁は必要
- 生き甲斐(いきがい)
形式名詞「甲斐」の使い方
効果や価値「…甲斐」
- 必死に練習した甲斐があって、チームのリー ダーに選ばれた。
- 手術の甲斐がなく、亡くなってしまった。
名詞「抜き」
意味:抜くこと。取り去って、別にする、または 無しにすること。
形式名詞「抜き」の使い方
省略したり、取り除くこと「…抜き」
- 解説抜きで見るスポーツの試合は面白くな い。
- 勝ち負けの話は抜きにして、お互いよくやっ たと思う。
- 人を知るには、コミュニケーション抜きでは 進まない。
名詞「別」
意味:
1.けじめを立てて分ける。その、わかち、けじ め。
2.わかれる。はなれ去る。二つになる。
形式名詞「別」の使い方
~は考えないで「…は別にして/…は別として」
- あの店は、味は別にしてとにかく安い。
- あの店は、味はともかく(として)とにかく 安い。
他の物事の存在「…と(は)別に」
- 今の彼とは別に、気になる人がいる。
名詞「傍/側」
意味:
1.近く。かたわら。ほとり。
2.時間の隔たりがないこと。
形式名詞「そば」の使い方
前件の後にすぐ後件が発生する「…そばから」覚 えたそばたら、忘れていく。
注意:
1.比較的に負面な意味を表現してる。
2.習慣適用
名詞「傍ら」
'意味:そば。わき。
形式名詞「傍ら」の使い方
本業と副業「…かたわら」
- 会社に勤めているかたわら、夜は家でも副業 をしている
- 彼女はモデルのかたわら、歌手でも活躍して いる。
名詞「皮切り」
意味:物事のしはじめ・最初。初手(しょて)。
形式名詞「皮切り」の使い方
前項と同種の行為が次々行われていく
「…を皮切りに(して)/…を皮切りとして」
- 東京のイベントを皮切りに、今度は全国各地 でイベントを開催する予定だ。
名詞「手前」
意味:
1.自分に近い方。また、目標とするものの前。
2.人の見る前。他人に対する自分の立場・面 目・体裁。
3.(代)一人称の人代名詞。自分のことを謙遜 していう語。わたくし。二人称:おまえ。
4.茶の湯の作法・様式。
形式名詞「手前」の使い方
それをしないと評価が下がったり、面目が立たな くなる「…手前」
- 自分から誘った手前、今更やっぱり止めよう とは言えない。
名詞「気取り」
意味:体裁をつくろうこと。もったいぶること。
形式名詞「気取り」の使い方
本来そうではないのに、そのような素質や性質を 持っていることを他人に見せつけるように振る舞 う「…気取り」
- 芸術家気取りするのは芸術でもなんでもな い。
関連表現:
…ぶる
負面な意味のみ
接続:名詞、形容詞/形容動詞語幹+ぶる
- 母の前ではいい子ぶっている弟が嫌いです。
名詞「弾み・拍子」
意味:
(弾み)
1.弾力のある物体がはねかえること。
2.勢いづくこと。勢い。調子。
(拍子)
音楽のリズムを形成する基本単位。一定数の拍 (はく) の集まりで、強拍と弱拍との組み合わせか らなる。拍の数により二拍子・三拍子などとい う。雅楽では早 (はや) 拍子・延 (のべ) 拍子など。
形式名詞「弾み・拍子」の使い方
ある事柄がきっかけとなって、「つい」、「うっ かり」別の事柄が起こる
「…弾みに(で)/拍子に(で)」
- 転んで弾みで、頭をぶつけた。
- 人とぶつかった拍子に、持っていたスマホを 落としてしまった。